感想文:ナナメの夕暮れ

本の要約

YouTubeでオードリー若林のラップを聞いた。

オールナイトニッポン55周年のジングルのやつ

ものすごい秀逸だった。

この人天才だ!!

と思って興味がわいた僕は、若林の書いた本を読んでみることにしました。

とても面白い本だったので今日はその感想

 

本のタイトルは「ナナメの夕暮れ」

 

感想文

誰しもなんとなく、「理想の自分」と言うのは持っていると思います。

僕の場合は「寛大でありたい」とか思ってます。

また、誰しも「こだわり」というものも持っていると思います。

僕の場合は「とんかつの衣にドレッシングをつけない」とか「走る時は音楽を聴かない」とかです。

ただ僕の場合、理想やこだわりから逸れたとしてもそんなに気にしません。

別に寛大になるために努力はしてないし、なんなら心が狭い時の方が多い気がするくらいです。

多くの人も僕と同じようなカンジじゃないかな。

 

一方著者はその逆で、理想やこだわりが強すぎて、逸れることは出来ないし、万が一逸れた場合、気が狂うほどの葛藤に襲われてしまいます。

 

例えば、

スターバックスで「グランデ」と言えない。(気取っている気がして恥ずかしい)

とか

女性に会話を合わせて、デートをしていたら、急に耐え切れなくなり、泣き出してしまう。

とか

もうそんなことが、日常に溢れていて、とにかく苦しんでいる。

 

このエッセイでは、若林の生きづらいほど強い自意識や拘りに葛藤している様と、徐々に人間らしくなっていく様が書かれていました。

 

しかも面白おかしく。

 

普通に読み物として面白かったのですが、「自己啓発」的な面でも非常に刺激になったのは、「自分を良い状態に保つために努力すること」でした

 

こだわりや自意識が強すぎて、自分自身で人生を「ハードモード」に設定してしまっている若林は、少しずつこだわりや自意識を緩和する努力をしていました。

具体的方法としては、ゴルフだったり、一人旅だったりするのですが、一番は「情けない自分を受け入れること」が重要だと思いました。

 

若林はかつて「天才ではない自分」を受け入れることが出来ず、ひねくれていました。

他者の「気取っている」「迎合している」「ダサい」行動を批判していました。

自分は「気取っている」「迎合している」「ダサい」の真逆をすることで、自分の表現力が磨きあがると信じていました。

 

しかし、芸能界にはとんでもない才能が集まっていて、その批判していた人がどんどん評価され、自分はどうやってもその人達に敵わないことを自覚する様になりました。

 

そして、「天才ではない自分」を受け入れ、少しずつ強すぎる自意識と拘りから、自分を解放することを始めました。

結果、少しずつですが、生きやすくなっていったようです。

 

書かれていたエピソードはどれも強烈でしたが、僕にも似たようなところがあります。

 

僕は、恥ずかしながら「尊大」になってしまう面があります。

 

僕は、自分の意見が「的外れ」のように扱いを受けた時、それを素直に受け入れることが出来ません。

「的外れと言ったお前が的外れなんだよ」と思ってしまいます。

 

僕は自分とは違うマインドで働いている人を見た時、彼らをフラットに評価することが出来ません。

「もっと~~~した方がいいのに」等と、偉そうに思ってしまいます。

 

僕は「~~から~~と思われてる」と勘繰り、落ち込んり気が大きくなったりします。

それは時に「僕は評価されているはず」という期待だったり、「僕はめんどくさい奴と思われている」という悲観だったりします。

 

全て自分が「尊大」であると思っているからこそ、発生しているのだと思います。

 

しかし実際の僕はペーペーです。

 

的外れの意見をいう事もたくさんあるだろうし、自分の仕事のマインドが正解であるわけがありません。

また、評価は他者が決めることであり、僕が勘繰ることは無意味です。

 

それに気づかせてくれました。

 

別に、悲観する訳でも、ひねくれている訳でもなく、僕は天才でも尊大でもありません。

 

だからこそ、そんなことに苦しまなくていいのです。

 

失敗してもいいし、笑われてもいいのです。

 

この本のには失敗を「データの総量の増大」という言葉で表現されている部分があります。

 

この言葉が、僕は好きです。

 

「挑戦しろ、失敗しろ、諦めるな」という言葉はくそほど言われているけど、なんかしっくりこない。

 

でもデータの総量の増大と言われると、なんだか、それらのメリットを感じます。

 

変に頑張らなくていいのです。

 

普通にやればいいのです。

 

僕はペーペーだから、恐れる必要はない。ペーペーだから、当然失敗するだろうけど、それを恥じる必要もない。

また、他人の評価を気にするような尊大な次元にいない。

普通にやればいいのです。

失敗したって、データの総量が増えただけさ

そんな風に思えたら、もう少し気楽に生きれるかな。

とまあ、そんな一冊でした。

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